(2008年6月10日更新)
松島町73 歴史民俗資料館(伊万里駅より徒歩15分)
昭和48年(1973)7月20日指定
この銅戈は、昭和27年(1952)7月初旬、黒川町奥野(おくの)地区の旧黒川中学校の運動場拡張工事の際、水田の下から出土したものです。
戈(か)は、古代中国の殷(いん)時代(紀元前1600年頃~紀元前1046年)中期に出現し、戦国時代にさかんに用いられました。両刃の刃物を柄の先端に直角に取り付けた武器です。馬でひく戦車に乗った敵をひっかけて引きずり落としたり、敵を刺したりするのに威力を発揮しました。
旧黒川中学校で見つかった銅戈は、青銅製で2点あります。1点は基部に刻印があり、全長19.8cmです。もう1点は基部を欠失していますが、現存の全長で18.9cmです。ともに殷時代後期のものと考えられ、銅質は良好です。
この銅戈が見つかった付近は土井頭(どいがしら)遺跡といって、弥生時代中期中頃(B.C.100年頃)の甕棺墓(かめかんぼ)群が見つかっていますが、銅戈が製作された年代とは時代が合わず、銅戈の伝来についての解明が今後の課題です。
全国的に見ても類例のない遺物であり、本市の歴史を考える上で貴重な遺物です。
*見学のお問い合わせは歴史民俗資料館TEL0955-22-7107まで。