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伊万里市文化財保護条例の一部改正


伊万里市文化財保護条例の一部改正
(2008年8月25日更新)

伊万里市文化財保護条例の一部が改正されました。

 伊万里市内には約80ヶ所の窯跡が所在し、その多くは陶器(古唐津)を焼成していた窯跡です。これらの窯跡は肥前の近世窯業史を解明するための重要な遺跡であり、また伊万里地域を特徴づける固有の文化財です。

 市内に所在するいくつかの窯跡は絵唐津が出土することから過去、何度となく盗掘の被害を受け、平成12年から20年6月現在で10箇所の窯跡で延54回の盗掘被害を受けています。特に平成15、16年ごろからは1回の盗掘の規模が大きくなり、さらに年に数回であった被害が年間を通じて盗掘が行なわれるなど凶悪化しはじめました。

盗掘の状況 (上多々良窯跡 南波多町)立木の根元での盗掘(阿房谷下窯跡 松浦町)

 このようなことから市教育委員会は保存対策として、警告看板の設置などを行い、さらに平成19年3月には窯跡保存対策協議会を設立し、ボランティアによる窯跡のパトロールや盗掘坑の埋め戻しなどを実施していますが、窯跡保護をさらに進めるために、伊万里市文化財保護条例を改正しました。

主な改正点

伊万里市文化財保護条例(一部抜粋)


(刑罰)

第45条 市重要文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮又は20万円以下の罰金若しくは科料に処する。


第46条 市史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、損傷し、又は衰亡するに至らしめた者は、1年以下の懲役若しくは禁錮又は20万円以下の罰金若しくは科料に処する。


(公布 平成20年6月26日  施行 平成20年7月1日)

 

 罰金については、罪を犯して得られる利益よりも罰金の額を高くして抑止効果を強めました。さらに懲役、禁錮刑を設け、盗掘が重大な犯罪であることを示し、重要な文化財への侵害に対して伊万里市は毅然とした姿勢で臨むことを表しています。

 この条例改正を機会に窯跡の所在する地域の方々はもちろん、市民の方々が伊万里の貴重な文化財である窯跡に興味を持たれ、保護対策について、ご理解とご協力をいただきますよう、お願いいたします。