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令和2年度当初予算編成方針

令和2年度当初予算編成方針
(2019年10月31日更新)

1 はじめに

(1)経済状況と国の動向

 我が国の経済は、緩やかな回復傾向にあるとされており、先行きについては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって緩やかに回復していくことが期待される。ただし、通商問題を巡る緊張や中国経済の先行き、英国のEU離脱の行方などの海外経済の動向、金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向を注視していくほか、令和元年台風第19号など相次ぐ自然災害の経済に与える影響にも十分留意する必要があるとされている。
 このような中、「経済財政運営と改革の基本方針2018」に盛り込まれた「新経済・財政再生計画」の枠組みの下、基盤強化期間(令和元年度~令和3年度)において、経済・財政一体改革を着実に推進するとともに、全ての歳出分野において、類似事業の整理・統合や重複排除の徹底、事業の効率化など、聖域なく改革を進めるとされている。

(2)地方財政

 総務省の概算要求において、地方の一般財源総額については、令和元年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準の確保をするとされている。地方交付税は、本来の役割が適切に発揮されるよう総額を確保するとともに、引き続き巨額の財源不足が生じる見込みであることから、交付税率の引上げを要求されている。しかしながら、現時点では令和2年度の地方財政計画が示されていないことなどから、地方財政を取り巻く環境は不透明であり、地方の財政運営は依然として厳しい状況が続くことが予想される。
 また、佐賀県は、県財政の収支試算において、地方一般財源総額が実質的に確保されることが見込まれるものの、社会保障関係経費の増嵩などにより引き続き収支不足が発生する状況であるとされている。令和4年度までの財政運営の目処は立っているものの、自主財源比率は低く、国の方針に大きな影響を受ける恐れがあるため、令和2年度当初予算編成においては、徹底的に歳出を見直すとともに、飛躍するための鍵となる「交流」の分野に積極的に投資し、選択と集中による戦略的な財政運営に取り組むことを基本方針とするとともに、財政基盤を強化するため、前例や既成概念にとらわれず、自発的な歳入確保対策を強力に推進することとされている。

2 市の財政状況

 平成30年度一般会計決算は、前年度決算と比較して、歳入は基金の統廃合及び立花台地開発事業特別会計の閉鎖に伴う繰入金の増加等の影響により1億1,967万円(+0.4%)の増、歳出は基金の統廃合に伴う積立金に加え、一部事務組合負担金の増加等により4,685万円(+0.2%)の増と双方とも増加となり、実質収支額は3億2,465万円の黒字となったものの、前年度に引き続き財政調整基金を5億7,000万円取り崩す結果となった。また、単年度実質収支は、基金の統廃合に伴う積立金の増により3億7,496万円の黒字となった。
 歳入の根幹となる市税は、市内企業の増収等の影響による法人市民税の増と、個人所得の増加に伴う個人市民税の増により、対前年度比で9,790万円の増となったが、ふるさと応援寄附金は総務大臣通知による返礼率見直しの影響により、前年度から2年連続で減少する結果となった。
財政指標については、普通会計ベースで経常収支比率が95.2%(+0.8ポイント)と微増したほか、財政の健全度を示す実質公債費比率が16.5%(+0.5ポイント)と上昇する結果となった。今後も、伊万里中学校の建設や大坪保育園・公民館複合施設の整備などの普通建設事業を予定しており、多額の地方債発行が必要となることから、将来的に実質公債費比率が悪化する恐れがある。
 また、社会保障関連経費をはじめとする義務的経費や他会計への繰出金等の増加により、財政の硬直化が進行することが予測されるため、これまで以上に財政の健全化に努める必要がある。

3 予算編成の基本方針

 令和2年度の当初予算編成においては、政策事業計画の評価結果を反映するものとする。また、国等の動向や市民ニーズ等には的確に対応することとし、本市の継続的な発展に向けた予算編成を行うものとする。
 財政運営の見通しについて、前年9月末時点で試算した歳入一般財源のうち、歳入の根幹となる市税は、前年度と同水準の企業収益の増収や設備投資の継続等が現時点で見込めないことから、前年度決算見込と比べて1億2,215万円減の68億936万円と推計している。地方交付税については、税収減に伴う基準財政収入額の減少と、臨時財政対策債償還費の増加等による基準財政需要額の増加を考慮し、前年度から3億9,262万円増の60億7,914万円と見込み、歳入一般財源総額で前年度と比べて3億8,887万円増の158億3,938万円と推計した。
 一方、歳出については、社会保障関係経費や一部事務組合負担金、他会計繰出金といった義務的経費の増加が見込まれるほか、伊万里中学校の建替えや大坪保育園・公民館複合施設の整備など普通建設事業費、さらには人口減少社会に対応した新たな行政課題に要する経費等も必要となることから、歳出一般財源総額を前年度決算見込より13億6,649万円増の175億39万円と推計した。しかしながら、歳出の財源は歳入一般財源を充当してもなお不足するため、財政調整基金、減債基金、公共施設整備基金のみならず、ふるさと応援基金やまちづくり基金等にも依存せざるを得ない状況となっている。
 このようなことから、全職員が本市の厳しい財政状況を十分に理解した上で、第6次伊万里市総合計画における各種施策の推進に当たり、行政評価の考え方を基本とした成果重視と戦略的視点に立ち、個々の事業内容を徹底的に見直すことで、真に必要な事業の推進と財政の健全性を両立させるため、一丸となって最大限の努力を行うものとする。
 具体的な方針は次のとおりとする。

(1)ゼロベース予算の実施

 現行の事務事業を根本から洗い直し、既存の経費の見直しと支出の適正化をもってコストを削減した事業実施を目指すものとする。見積もる年間経費について、政策的事業は経営会議を経て決定した政策事業計画の評価を基礎とし、経常的事業は前年度現計予算(令和元年度12月補正後)をベースとして、いずれも実施の必要性を再検討すること。

 なお、予算編成の過程において、要求された事業(政策的事業を含む)は、財政課で査定(歳入状況等を勘案し、経常的経費及び義務的経費のうち一部の費目については調整)を行う。

(2)制度改正等に対する対応

 現時点で、令和2年度の国の予算や地方財政計画等が未公表であるため、主に現行制度を前提とした予算編成とするが、消費税率引上げ分を財源とする幼児教育・保育無償化への対応や会計年度任用職員制度への移行など、当初予算案の決定までに制度の創設・改正等が明らかとなったものは、可能な限り予算編成に反映させるものとする。

(3)内部努力の徹底

 全ての事業について、一層の経費削減に努めること。事業見直しを行う際は、廃止・縮小の影響を十分に考慮し、関係団体等に説明を行うなど、市民の理解を得るよう努めること。

(4)歳入の確保

 国・県支出金等について、国や県の動向を踏まえた上で、他省庁の補助制度等を含めて積極的に活用し、財源確保に努めること。また、その他収入として各種財団、企業等の新たな助成制度に関して情報収集を行い、活用を検討するとともに、新たな資金調達手法として企業版ふるさと納税やクラウドファンディング等についても導入を検討すること。

(5)市債発行の抑制

 市債の発行は後年度に公債費(長期債元利償還金)の負担増につながり、財政の硬直化を招く要因ともなるため、原則として発行額を長期債償還元金以下に抑制するとともに、地方交付税措置がある起債を活用することで、実質公債費比率の逓減に努める。

(6)基金残高の確保

 ふるさと応援寄附金の返礼率見直しに伴い、ふるさと応援基金の積立額の減少が見込まれるため、最低限必要な基金残高の維持に向けて取り組むとともに、枯渇が懸念される財政調整基金、減債基金の取崩しの抑制に努める。

(7)財政改革への取組み

 全職員が、本市の財政状況を十分に認識した上で、市民ニーズなど時流を的確に把握し、社会の変化に迅速に対応できるよう意識改革に努めるとともに、令和2年度が最終年度となる第4次財政基盤安定化計画に掲げる具体的な方策を着実に推進することで、歳入(財源)確保と歳出削減を図るなど、全力を挙げて財政健全化に取り組む。