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八坂神社石造物群


八坂神社石造物群
(2008年6月10日更新)
市指定重要有形民俗文化財
八坂神社石造物群
(やさかじんじゃ せきぞうぶつぐん)

大坪町乙1738番地 八坂神社(伊万里駅より車で10分)      
昭和54年(1979)10月1日指定

肥前鳥居・逆修板碑・六道板碑

 八坂神社石造物群は、祇園(ぎおん)町の八坂神社の境内にあります。この地は中世の松浦党の一族、地北(ちきた)氏の居城があったといわれており、その守護神として八坂神社を建てたと思われます。石造物としては肥前鳥居1基、肥前狛犬1対、逆修板碑(ぎゃくしゅういたび)8基、六道板碑(りくどういたび)6基があります。
 逆修板碑は、景川宗云居士(けいせんそううんこじ)が慶長(けいちょう)十四年(1609)から慶長十九年(1614)にかけて建てたもので、8基もあります。砂岩製で同一人物の筆跡を薬研彫り(やげんぼり)で刻んでいます。これほど大がかりなものは全国にも類例がありません。板碑のような石造物は高価なものでしたから、景川宗云居士は有力者であったものと思われます。逆修とは、死後に成仏を願って行う法事を生前にすましておくことで、死んだ後にすぐ成仏できるように祈ることです。
 また六道板碑も、人間が死後、生前の行いによって永遠に輪廻をくりかえすという六道世界から抜け出したいという願いをこめて建てられたものです。地蔵菩薩から分離して板碑形(いたびがた)をしているものは九州では珍しい例です。さらに肥前鳥居や肥前狛犬は、地方色が濃い独特の形の石造物で、神仏習合の名残を色濃くとどめています。
 これらの石造物は、慶長期につくられた一連のものと考えられます。当時の有力者たちの信仰や当地方の石造文化を知ることができるものとして貴重です。