(2008年6月10日更新)
染付木瓜文皿
新天町662番地13
伊万里・鍋島ギャラリー（伊万里駅西ビル２Ｆ）
平成15年（2003）４月１日指定
この作品は、口径14.7センチ、高さ4.5センチで、木杯形（もくはいがた）をした鍋島染付の五寸皿です。
内側は、六つの木瓜文を一見不規則に配したように置いていますが、その配置は絶妙で、その周到さには、極めて高い美意識がうかがえます。複雑な木瓜文を精緻な筆づかいと染付の濃淡を使い分けて、巧みに描いています。同じ意匠で色絵の類品が出光美術館にあります。
裏文様は、唐花文（からはなもん）を三方に配し、細い唐草で埋めつくしています。高台文様は鍋島焼でも古いと考えられている短い櫛目文（くしめもん）です。櫛目文は、鍋島焼が定形化していく過程で採用され、後には鍋島焼の高台文様の基本意匠として江戸時代を通して用いられています。
全体の意匠や器形から1680年代～1690年代の作品と考えられます。