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平成22年第2回定例会 市長提案理由説明について


平成22年第2回定例会 市長提案理由説明について
(2010年6月14日更新)

はじめに

 平成22年第2回定例会の開会にあたり、市政運営について所信の一端を申し述べますとともに、今議会に提案いたしました平成22年度補正予算並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。


3期目にあたっての決意

 先の市長選挙におきまして、市民の皆様の温かいご支持により3期目の市政運営について負託をいただきましたことは、この上ない光栄に存じますとともに、今回の選挙に際し、市内各地において多くの皆様のまちづくりに対する様々な想いに触れ、市長としての使命と責任の重さを改めて痛感し、まさに身の引き締まる思いでございます。


 私は、美しい自然に抱かれ、素晴らしい歴史を刻んできたふるさと伊万里を真に豊かで自立した地域社会へとさらに高めていくため、まずは、市政運営の原点に立ち返り、今日まで市民の皆様と築きあげてきた信頼関係のもと、「和の心」をもって、市民福祉のさらなる向上と地域の発展に全力を傾注する決意でありますので、議員の皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


市政を取り巻く情勢

 さて、わが国の経済情勢は、一昨年来の世界的な金融危機の中で取り組まれた積極的な景気対策により回復基調にあるものの、ユーロ圏における財政金融問題の影響など、依然として先行きは予断を許さない状況にあります。


 また、国政における政権交代に伴い、制度等の抜本的な見直しが進められるとともに、子育てや雇用など国民の生活支援に予算が重点配分される一方、公共事業が抑制され、社会基盤の整備が遅れている地方においては、地域経済への影響が懸念されるところであります。


 国と地方の関係においても、地域主権の考えのもとで、従来の補助金制度から地方に裁量を与える一括交付金へと転換される方向にあるなど、住民に身近なサービスを提供する地方自治体の役割は一層重要となっております。


 さらに、これまでの三位一体改革の影響や景気の後退に伴う自主財源の大幅な落ち込みにより、地方自治体の財政状況は一層厳しさを増しております。


まちづくりの基本方針

 このため、私は、固定観念にとらわれることなく、強い変革の意志をもって市政運営に取り組み、着実な行政改革の推進により財政の健全化を図り、自立した自治体経営の確立を目指してまいります。


 また、限られた財源の中で、市民のライフスタイルの変化や少子高齢化の進展等に機敏に対応した政策の展開により、市民の皆様の満足度の向上に努めてまいります。


 こうした将来の姿を見据えた堅実な行財政運営を市政運営の基本とし、職員の政策形成能力のさらなる向上と政策官庁としての機能の強化に努め、人が元気、産業が元気、そして、地域が元気なまちづくりに邁進してまいります。


主要な施策

 私の市政運営に関する基本的な考えを申し述べましたが、今回のマニフェストに掲げた事業等につきましては、これからの市政運営において、第5次伊万里市総合計画の実施計画に位置付け、着実に推進していく考えであります。


 以下、市政の主要施策について、総合計画の五つのまちづくりの目標に沿ってご説明いたします。


 はじめに、“安心で健やかな暮らしづくり”について申し上げます。


 地域医療の充実を図るため有田町とともに進めている新統合病院の整備については、本年7月に本体建設工事に着手する予定であり、引き続き、来年12月の開院に向け着実に事業を推進してまいります。


 安心して子どもを産み育てることができる環境づくりとして、不妊治療や私立保育園2園の園舎整備への支援を行うとともに、市民の多様な保育ニーズに的確に対応した延長保育や一時預かりなどの充実を図ってまいります。


 また、少子化対策の一つとして市民の結婚活動を応援する婚活応援課を本年4月に新たに設置したところであり、結婚支援相談員の配置やイベントの開催など、民間団体等と連携した取り組みを展開してまいります。


 さらに、すべての市民が生涯にわたり健康で暮らすことができるよう、きめこまやかな保健サービスを提供していくため、保健活動における今後10年間の指針となる、いきいき健康づくりプラン21の改定に取り組みます。


 二つ目に、“創造的で心豊かなひとづくり”について申し上げます。


 安全な教育環境の整備として、平成19年度から実施している校舎の耐震診断に引き続き取り組むとともに、これまでの結果を踏まえ、二里小学校の校舎改築に向け仮設教室の整備を行うほか、学校や地域の実態に応じた特色ある教育や学校整備に取り組むなど、子どもの創造性や主体性を引き出す教育の推進に努めてまいります。


 また、地域におけるコミュニティ活動や交流の拠点となる自治公民館の整備を支援するとともに、国見台球技場の老朽化した夜間照明施設の改修を行うなど、スポーツ環境の整備を推進するほか、市民図書館では開館15周年を迎えることから、国民読書年に合わせ、子ども読書のまちの宣言や講演会など記念事業に取り組み、子どもの読書への関心や理解を深めてまいります。


 三つ目に、“活気あふれる産業づくり”について申し上げます。


 食料自給率の向上などを目的とする戸別所得補償制度の本格実施に向け、水田農業を対象とした戸別所得補償のモデル事業が実施されることから、水田を有効に活用した麦や大豆などの生産拡大を促進し、経営安定を図ってまいります。


 危機管理上、目下の課題となっている口蹄疫対策については、県や農業団体等との連携を図り、防疫態勢を強化する一方、優良な繁殖雌牛の導入により、生産から肥育までを行う純粋伊万里牛の生産拡大への支援に努めてまいります。


 また、本市の豊かな農産物等をPRする食と農の祭典として新たに伊万里旨いもの収穫祭を開催するとともに、引き続き伊万里牛を活用した各種イベントを実施するなど、都市住民との交流の拡大や一層のブランド力の向上による伊万里牛の消費拡大を図ってまいります。


 さらに、いまり秋祭りやどっちゃん祭りなどを開催するとともに、伊万里歴史と文化のコンシェルジェ検定など地域資源を生かしたまちづくり活動への支援に努めます。


 四つ目に、“安全で快適な地域づくり”について申し上げます。


 福岡都市圏との時間距離を大幅に短縮する西九州自動車道については、平成23年度に北波多インターチェンジ(仮称)までの開通が予定されている唐津伊万里道路のさらなる事業促進を図るとともに、本年4月の土砂崩れにより通行止めとなっている国道498号中田地区の早期復旧をはじめ、県道黒川松島線バイパス並びに臨港道路七ツ島線の整備について、国や県への働きかけを強化してまいります。


 適正なごみ処理を効率的に行うため、現在、松浦町において、県西部地区4市5町で進めている広域ごみ処理施設の整備については、環境影響評価を実施するとともに、造成工事のための用地測量などに取り組んでまいります。


 また、火災や救急などにおいて市民の生命や財産を守るため、老朽化した消防緊急通信指令システムを更新し、安定した運営に努めます。


 五つ目に、“自立と協働のまちづくり”について申し上げます。


 自立した地域を目指し各町において主体的に取り組まれているまちづくり計画の策定や事業実施への支援に努めるほか、市民活動団体の相互連携等に取り組む市民ネットワーク「いまり」の活動を支援し、それぞれの団体自らが行う活動の活性化を促進するなど、市民との協働によるまちづくりを進めてまいります。


 また、将来にわたり健全な行財政運営を進めていくため、新たな行政改革大綱の策定に取り組むとともに、自主財源の確保をはじめ、行政評価の活用、機構改革によるコストの縮減など、さらなる行政改革の推進に努めてまいります。


補正予算の主な内容

 以上、主要な施策についてご説明申し上げましたが、今回の補正予算については、長引く地域経済の停滞等に伴い、依然として厳しい財政状況にある中で、事業の重要性や緊急性を考慮し、財源の重点的、効率的運用を図り予算編成に努めたところであります。


 この結果、一般会計におきましては、歳入歳出それぞれ16億8,592万2千円を追加し、予算の総額を209億2,792万2千円とするものであります。


 以下、今回提案いたしました補正予算の主な内容について重複を避けながら歳出の款ごとにご説明申し上げます。


 はじめに、総務費については、市外からの転入による定住を促進するためのマイタウン定住奨励金をはじめ、犯罪の防止など地域の安全確保のため行政区が行う防犯灯設置への支援のほか、来年7月の地上デジタル放送への完全移行に対応するため、波多津町の一部における共聴施設の新設および改修の支援に要する経費を計上いたしております。


 また、アンテナショップが開設されている中国・青島市をはじめ、香港など海外市場における伊万里焼や伊万里梨等の販路拡大を図るほか、大連市との友好交流と経済交流をさらに深めるため、公務研修生の受け入れに要する経費を計上いたしております。


 さらに、新たな会計制度として義務付けられた財務書類の作成において、より詳細なコスト把握や資産評価等を行うため、総務省改定モデルから基準モデルへの移行に要する経費等を計上いたしております。


 また、ふるさと応援基金に新天町 西泰然様、木須町 松尾俊昭様より寄附をいただきましたので積み立てるとともに、厚くお礼を申し上げます。


 民生費については、福祉タクシーの利用対象者の範囲を拡大し、助成額を増額するとともに、通所施設等の送迎サービスの利用への支援を行うなど、障害のある人のニーズに応じた生活支援のための各種事業に要する経費を計上いたしております。


 さらに、敬老会の開催をはじめ、高齢者の生きがいや健康づくりなど老人クラブ活動への支援のほか、地域の身近な相談員として活動している民生委員・児童委員協議会への支援に要する経費等を計上いたしております。


 また、福祉基金に財団法人佐賀県遺族会様、伊万里市老人クラブ連合会様、山代町 吉武央彰様から、子育て応援基金に松浦町 古賀義男様から寄附をいただきましたのでそれぞれ積み立てるとともに、厚くお礼を申し上げます。


 衛生費については、伊万里・有田地区衛生組合に対する火葬場への取付道路の整備に係る負担金のほか、稼働以来28年が経過している環境センターの機能低下防止と延命化を図る補修とともに、ごみの減量化やリサイクルに対する市民の意識の向上を促すため、各行政区や子ども会などの団体が実施する資源ごみ回収活動への支援に要する経費を計上いたしております。


 また、地域における医療の担い手として看護師等を養成する伊万里看護学校への運営支援のほか、河川等の公共用水域の水質保全を図るため、浄化槽の設置への支援に要する経費等を計上いたしております。


 労働費については、福祉や教育などの分野における新たな緊急雇用対策をはじめ、伊万里地区労働者福祉協議会への支援に要する経費等を計上いたしております。


 農林水産業費については、園芸農業を振興するためのハウス施設や省力化機械等の整備をはじめ、国や県の採択基準に適合しない農道や水路の整備など小規模な土地改良事業への支援とともに、棚田地域において都市住民と交流するための施設整備への支援に要する経費を計上いたしております。


 また、災害の未然防止とともに農業用水の安定確保を図るための老朽ため池の改修をはじめ、農地等の保全や地域間交流など農村地域の再生、活性化を図るための中山間地域の農業生産基盤等の整備に要する経費を計上いたしております。


 さらに、肥育素牛の生産拡大と自給飼料増産のための機械等の導入への支援をはじめ、市内産の子牛を購入した肥育農家への支援のほか、福岡市内の飲食店での伊万里牛フェアの実施など伊万里牛に関する情報発信に要する経費を計上いたしております。


 林業については、森林の適正管理や収益の確保を図るため、県産材を用いた施設等の整備への支援をはじめ、間伐材等の利用を促進する木材乾燥施設の導入や搬出経費への支援に要する経費等を計上いたしております。


 商工費については、窯業の伝統的技術等を継承する人材の育成を支援するほか、松浦鉄道株式会社が利用者の利便性向上を図るため導入するICカード型共通乗車券や施設の整備などへの支援に要する経費を計上いたしております。


 また、観光客へ本市の魅力を伝えるボランティアガイドを養成するほか、花火大会や物産展の開催などへの支援とともに、商工会議所をはじめ関係団体への支援に要する経費等を計上いたしております。


 土木費については、市街地における円滑な交通を確保する都市計画道路陣内白野線の整備をはじめ、歩行者等の安全を確保するための市道の拡幅など改良工事に要する経費を計上いたしております。


 また、民間住宅の耐震診断費用の支援のほか、老朽化した立花市営住宅の内部改修工事とともに、生涯学習センター等の耐震診断に要する経費を計上いたしております。


 さらに、氾濫による農地や家屋などへの被害を防止するため、煤屋川の改修に要する経費等を計上いたしております。


 消防費については、災害現場における救助技術の向上を図るための訓練塔の改修とともに、市民への応急手当法の普及啓発のための応急手当講習用資機材の整備に要する経費を計上いたしております。


 また、消防団の小型動力ポンプ積載車格納庫の新設への支援とともに、幼少期から防火意識を高めるための幼年消防用鼓笛用品の整備に要する経費等を計上いたしております。


 教育費については、発達障害のある児童への支援として本年4月に新たに伊万里小学校に開設した通級指導教室「まなびの教室」の備品購入をはじめ、学習指導要領の改訂に伴う理科の実験器具等の整備に要する経費を計上いたしております。


 また、市民図書館や黒川公民館の図書資料購入費とともに、市民図書館を核として取り組んでいる家読を推進するため、各町を単位とした実行委員会の活動への支援に要する経費を計上いたしております。


 さらに、市民が気軽にスポーツを楽しみ交流を深める機会の創出とともに競技力の向上を図るため、体育協会等が実施する事業を支援するための経費等を計上いたしております。


 また、立花町 鈴山純司様より寄附をいただきましたので、市民図書館の図書資料購入費への充当と教育振興奨励基金に積み立てるとともに、厚くお礼を申し上げます。


 災害復旧費では、本年4月の豪雨により被災した土木施設の復旧をはじめ、家屋などの背後地における急傾斜地の崩壊防止に要する経費等を計上いたしております。


 諸支出金では、井手口川ダム建設に係る水道事業特別会計への出資金を追加いたしております。


 なお、歳入については、ただいまご説明申し上げました事務事業に要する経費の財源として、地方交付税、国庫支出金、県支出金、市債等を追加するものであります。


 次に、特別会計についてご説明申し上げます。


 介護保険特別会計については、歳入歳出それぞれ3,474万7千円を追加し、予算の総額を50億9,845万6千円とするもので、認知症高齢者グループホーム6施設におけるスプリンクラー設置への支援とともに、認知症対応型デイサービスセンターの施設整備への支援に要する経費を計上いたしております。


 公共下水道事業特別会計については、歳入歳出それぞれ3億349万7千円を追加し、予算の総額を22億4,598万2千円とするもので、汚水管渠の整備に要する経費のほか、受益者負担金の前納報奨金等を計上いたしております。


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市長提案理由説明(259KB)(PDF文書)