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資料・あとがき・正誤表


資料・あとがき・正誤表
(2021年11月29日更新)

あとがき

伊万里市の近年の文化財発掘調査により平成五年から十年にかけて大坪町六仙寺で午戻(うまもどし)遺跡(いせき)が発見され弥生(やよい)時代中期(約二千年前)の土器や石器などの遺物が包含層から沢山出土されましたが、その中でも、佐賀県内二例目として発見された完鏡の青銅製漢式鏡は大陸製のものだと解りました。

これらのことから考察して弥生時代の中心国と思われる伊都(いとの)(くに)(なの)(くに)の影響を受けていたと思われる伊万里地区も大昔から進んだ地方だったろうと思われてきます。

私達の郷土波多津についても、木場地区の前山遺跡、開田遺跡、井野尾地区の水溜遺跡などから石で作られた矢じりの(せき)(ぞく)などが発見され太古の私達の祖先を彷彿(ほうふつ)と偲ぶことができます。

編集委員長である藤田平太先生の発刊のことばにあるように、昭和五十年末発行された波多津小学校創立百周年記念誌を第二のステップとして、先生は町内の有志の方々や市内の専門家に相談されたところ、その熱意に賛同され郷土の文化の堀り起こしと情報の収集につとめられました。

相提携した調査收集活動の途中・有志の方で完結の日を待たずにおなくなりになる方もありましたが、平成十一年春、花実るころには町誌も結実して多くの家庭に届けることが出来るよう鋭意努力を注ぎ込み資料の編集に微力を捧げてまいりました。

小さいときから通ったあの道この道、親の背をみながらやむなく手伝いをした田畑、魚釣りをした海岸や川の堤防、歴史や祖先への感謝も考えずに過ごした日々だが、永い歴史の(とばり)の中で数多くの先人の苦労が包まれていることを知ることができました。

煤屋地区(元・煤屋村(煤の漢字は日へんに雲))には、旧海岸であった字名が干拓され新字名となった上灰浦・下灰浦などがあり、近隣の馬蛤潟や黒川の干拓地に字名に灰のつく地名があり干拓地であることを示しています。

馬蛤潟新田は今は美田と化していますが、今から二百九十三年前の宝永三年(一七〇六) より、唐津藩により人夫を大動員し堤防工事や田畑の造成を行い六年の歳月を経て入村させた記録があります。なお旧正月の竜宮様祭の時には当時の風習が残っています。

辻地区(元・辻村)は玄武岩で覆われた百九十二mのあぐり山で境されていますが、かつて烽火(のろし)をあげて連絡したことから、「あぐる」が「あぐり」になまったと言われています。

波多津の地名も古代末より「八田津(はたつ)」の地名として名を留め、松浦党と関連しながら所管した波多氏に因んで明治三十三年今日の字「波多津」に変わっているようですが、ことばは変わらず約一千年前から活用されています。

故郷(ふるさと)はなつかしさを思い起こし心をなごませてくれます。また人と人とのつながりで私達の生き方を教えてくれます。編集委員長に導かれて町内各地を廻ったり、先輩・同輩といっしよに資料の整理や編集の手伝いをしながら佳き故郷を再認識し心の中に実感として歴史や自然を深く受けとめることができました。

郷土の資料として家庭や多くの方に活かしていただけば幸甚です。

編集委員

主な参考文献

創立百周年記念誌         波多津小学校

伊万里市史            伊万里市

いまり歴史散歩          伊万里市教育委員会

ふるさとの想いで写真集 伊万里  伊万里市郷土研究会

ふるさとの石造文化        伊万里市郷土研究会

佐賀県史 上・中・下巻      佐賀県

佐賀県の歴史と文化        佐賀県文化館

佐賀県の地名 日本歴史地名大系  平凡社

烏ん枕              伊万里市郷土研究会

松浦叢書 第一巻・第二巻     吉村茂三郎編 名著出版

 一、松浦古資料   二、松浦古事記

 三、松浦拾風土記 一・二・三巻

 四、小笠原藩私記  村松文書

   五、松浦昔鑑    六、松浦記集成

  波多津小学校要覧   波多津東小学校要覧   波多津中学校要覧

  波多津東幼稚園要覧  波多津保育園資料

  黒川町史       黒川町史編集委員会

脇田町誌       脇田町誌編集委員会

大川町誌       大川町誌編集委員会

波多津町誌編集委員会

委員長  藤田 平太

委員  松下 用助(故)  松下 愛吉(故)  山口 幸雄

松尾三次郎(故)  田中 秋雄     奈良崎角助

古川  満     松下 常夫(故)  森野 季二(故)

古川 仙吉(故)  谷崎  勇     谷崎  清(故)

古河 吉村     加川 周史     市丸 定治

市丸  健(故)  田中 友一     田中 米倉

松尾  一向  大進(故)  野田庄太郎(故)

大久保 久(故)  金子  典     井手東太郎(故)

小杉 東太     井手 ソヤ(故)  田中 俊男(故)

岸本  弘     柴田 初雄     田中 敬太郎

古崎 泰三(故)  橋口政次郎(故)  大石 嘉一

松本  仁     内田  勇(故)  福地 チエ(故)

 執筆協力者 原口 静雄(故)  諸岡  均     久我 俊郎

田中 良雄     井手 芳子(故)  小杉 俊子

前田 トシ子    田中  照     長谷川コトノ

原口 辰巳     田中 和人     古橋キヨエ

 庶務会計  田中  繁(故)  前田善太郎(故)  古川  稔

 協力者 松本 武明     高森  勤     松本 辰夫

       筒井  忞     石倉 秀信     丸田 光也

 後援団体  波多津町老人クラブ連合会  波多津町区長会

       波多津町婦人会  波多津教育会

 問い合わせ先

       〒八四八―〇一〇一

佐賀県伊万里市波多津町辻一〇一八

((〇九五五)二五―〇〇〇一 波多津公民館

波多津町誌

発行日 平成十一年三月三十日

編集者 伊万里市波多津町誌編集委員会

発行所 伊万里市波多津公民館

佐賀県伊万里市波多津町辻一〇八〇番地

TEL(〇九五五)二五-〇〇〇一

印刷所 株式会社 三光

佐賀県伊万里市大坪町乙四一六一-一

TEL(〇九五五)二三-五八〇八