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平成30年度当初予算編成方針


平成30年度当初予算編成方針
(2018年1月30日更新)
 

◎予算編成方針  

   1.はじめに   

(1)経済状況と国の動向 

 我が国の経済は、緩やかな回復基調が続いているとされており、先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されるが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとされている。このような中、「経済財政運営と改革の基本方針2017」(平成29 年6 月9 日閣議決定)において、「経済再生無くして財政健全化なし」を基本とし、引き続き600兆円経済の実現と平成32年度の財政健全化目標の達成の双方の実現を目指すこととされた。さらに、平成29年7月20日に閣議了解された平成30年度予算の「概要要求基準」では、「経済財政運営と改革の基本方針2017」を踏まえ、引き続き、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27 年6 月30 日閣議決定)で示された「経済・財政再生計画」の枠組みの下、手を緩めることなく本格的な歳出改革に取り組むこととされ、歳出全般にわたり、平成25年度予算から平成29年度予算までの安倍内閣の歳出改革の取り組みを強化するとともに、施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化することとされている。
 

(2)地方財政

 総務省の概算要求において、地方の一般財源総額は、平成29年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準の確保をするとされている。地方交付税については、本来の役割が適切に発揮されるよう総額を確保するとともに、引き続き巨額の財源不足が生じる見込みであることから交付税率の引き上げについて要求されている。しかしながら、現時点では平成30年度の地方財政計画が示されていないことなどから、地方財政を取り巻く環境は不透明であり、地方の財政運営は依然として厳しい状況が続くことが予想される。
 佐賀県においては、平成29年度末の県債残高が予算規模を大きく上回る6,983億円に達する見込みであるとともに、本年9月に行われた県の財政収支試算では、地方交付税、県税等の一般財源の総額が平成29年度と同程度確保される場合でも、社会保障関係経費の増加等により平成30年度以降も収支不足が発生するという試算結果となったことから、「佐賀県行財政運営計画2015」に基づき、将来を見据えた戦略的な財政運営に取り組むこととされている 。 

 

2.市の財政状況

 平成28年度一般会計決算は、前年度決算と比較して、ふるさと応援基金への寄附金やその募集事業の影響等により、歳入は4億7,161万円(+1.8%)の増、歳出についても6億5,233万円(+2.5%)の増と双方とも増加となり、実質収支額は2億6,458万円の黒字となったものの、平成24年度以来となる財政調整基金の取り崩しを4億円行う結果となった。
 
歳入の根幹となる市税は、太陽光パネルの償却資産の増加による固定資産税の増加、給与所得の増加による個人市民税の増加により、全体で6,312万円の増となったものの、法人市民税は長引く円高等の影響により、対前年度比1億4,635万円の大幅な減となった。
 このように平成28年度決算の実質収支は黒字であるが、財政調整基金の取り崩しもあり、実質単年度収支は△3億6,652万円という厳しい結果となった。
財政指標については、普通会計ベースで経常収支比率が、95.5%(前年比+4.6ポイント)と悪化し、財政の健全度を示す実質公債費比率は16.2%(△0.1ポイント)、将来負担比率についても88.8%(△7.3ポイント)となり、数値的には改善しているものの、全国的に見ても高い比率となっている。また、平成30年度から、さが西部クリーンセンター建設に係る起債償還が本格化することに伴い、組合への負担金が大幅に増加することにより、実質公債費比率の悪化が見込まれるため、今後とも公債費負担適正化の取り組みを継続する必要がある。
また、今後、社会保障関連経費等の義務的経費及び繰出金等の増加に加え、老朽化した公共施設の大規模改修の増加等による財政の硬直化がさらに進行することが予測されるため、これまで以上の財政健全化に努めることが必要である。 
 

3.予算編成の基本方針

 平成30年度の予算編成においては、原則として「第5次伊万里市総合計画」実施計画の査定結果を反映するものとする。また、国等の動向や市民ニーズ等には的確に対応することとし、「活力あふれ ひとが輝く 安らぎのまち 伊万里」の実現のため、本市の継続的な発展に向けた予算編成を行うものとする。
 財政運営の見通しについては、本年9月末に作成した平成30年度の一般財源の歳入見通しとして、歳入の根幹となる市税は、固定資産税の評価替えの影響により、前年度決算見込から約3億円減の63億2,739万円と見込んでいる。また、地方交付税については、税収減に伴う基準財政収入額の減少及び西部広域環境組合の施設建設に対する起債の本格償還の開始等による基準財政需要額の増加を考慮し、前年度から約4億円増の59億2,877万円と見込み、歳入一般財源総額で前年度より約1億6,500万円増の151億5,188万円と推計した。
 一方、歳出では、義務的経費について社会保障関係経費、一部事務組合への負担金や他会計への繰出金の増加が見込まれる中で、老朽化した公共施設等の大規模な改修や人口減少社会に対応した新たな行政課題に要する経費も必要なことから、歳出一般財源は、前年度決算見込みより約5億5,000万円増の162億5,119万円と推計しており、財政調整基金、減債基金、公共施設整備基金に加え、ふるさと応援基金、福祉基金等に依存せざるを得ない状況であり、最低限必要な基金残高の確保に向けた取り組みを強化する必要がある。
 このようなことから、まずは全職員が本市の厳しい財政状況を充分に理解した上で、行政評価の考え方を基本とした成果重視、戦略的視点に立って、個々の事業について不断に見直し、真に必要な事業の推進と財政の健全性を両立させるため、一丸となって最大限の努力を行うものとする。
 具体的な方針は次のとおりとする 。

(1)骨格予算の実施

 平成30年4月が市長の改選期にあたるため、平成30年度当初予算については、骨格予算として編成する。政策的経費については、継続費及び債務負担行為を設定している事業、 特に当初予算において計上を必要としているものを除き計上を留保し、市長改選後に肉付け予算の編成を行うものとする。
 骨格予算として当初予算を編成するが、年間の必要経費を把握するため、予め全ての事務事業に係る年間経費について見積もることとし、見積もる年間経費については、経営戦略会議を経て決定した第5次総合計画実施計画の内示額を基礎に、経営計画に沿った形で各部へ枠配分(事業群)を実施するものとする。但し、経常的事業は、経営計画額以内、政策的事業は、実施計画決定額以内で年間経費として見積もり要求すること 。
 

(2)制度改正等に対する対応

 国の予算、地方財政計画等が未確定であるので、原則として現行制度を前提として予算編成を行うものとするが、予算案決定までに制度の創設、改正等が明らかになったものについては、可能な限り当初予算の編成に反映させるものとする。

(3)内部努力の徹底

 見積もる年間経費は、一般財源枠配分額の範囲を限度とし、一層の削減に努めること。事業の見直しを行う際には、廃止・縮小の影響を十分に把握し、関係する団体等に考え方について説明を行うなど、市民の理解を得るよう努めること。
 

(4)市債借入の抑制

 市債については、原則として借入額を公債費の長期債償還元金以下に抑制することで、市債残高の圧縮並びに実質公債費比率のさらなる抑制に努めるものとする。
 

(5)基金残高の確保

 枯渇が懸念される財政調整基金、減債基金の取り崩しを極力抑えられるよう徹底した歳出削減に努めるとともに、経営計画に沿った基金残高の確保を図るものとする。
 

(6)財政改革への取組み

 国等の動向が不透明ななか、財源確保の点から有効な制度活用など情報収集に積極的に努めるとともに、「第4次財政基盤安定化計画」の着実な遂行による財源確保と歳出削減に全職員が一丸となって取り組み財政の立て直しを図るものとする。