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市長雑感(第31号) 技術職員と測量競技大会

技術職員と測量競技大会
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 秋晴れの中、国見台運動公園一帯で、伊万里市技術職員研修の一環として測量競技大会が開催されました。測量は道路、河川、橋梁、公園、漁港、区画整理、上下水道等のいわゆる社会基盤整備を計画する上ではもちろん、個人の土地の地籍に係ることを行う上で最も基礎となる最初に行う仕事であります。
 測量の種類にも平板測量、水準測量、横断測量等平面図を作成したり、高さを測ったり、断面図を作成したりといろいろあります。それら測量した数値を図面に図化したものを測量成果品と呼んで、それをもとにそれぞれの計画をしていくわけです。
 従って技術職員の最初の仕事は、現場に出て、ポールや巻尺、レベル、トランシットなどの器具を持ち、測量をすることから始まります。

 例えば、ひとつの市道の改良工事を計画するためには、手順的には道路の方向性(法線)を定めるための中心線測量から始まり、平板測量、横断測量、水準測量と手間と時間をかけて行います。
 測量の基本は正確でなければなりません。誤差があればもとも子もありません。それは、構造物等の設計をするための基礎となるからです。
 最近は建設コンサルタントに測量、設計を外注委託することが多くなり、技術職員の皆さんが現場に出て、測量する機会も少なくなったと思いますが、たまにはこのように測量競技大会を開催し、技術屋の基本を忘れないことが大事だと思います。

 私も28年6ヶ月、技術職員として仕事を行い、その後市長に就任しましたが、全国の自治体の首長さんの履歴を調べても、事務方出身の市町村長は結構多いですが、技術職員出身というのはきわめて少ない感じがします。
 基本的に市長職というのは市民の教育・文化・福祉・環境・医療、それに産業の振興と社会基盤の整備等、実に多方面・多分野にわたる職務を遂行しなければなりません。政治家でありながら議員とは異なる行政職の仕事にも精通する必要があり、さながら右足を行政に、左足を地方政治にというスタンスではないでしょうか。
 そういうなかで、私は長年技術職員として培ってきた経験を糧に、他の首長さんとはまた違った視点で市政運営に努めているところであります。

 技術職員の皆さんは毎日、道路、河川、港湾、公園、上下水道をはじめ各種あらゆる土木、建築部門で計画・設計・発注、出来上がりまで多忙を極められていることと思いますが、技術職員にとって一番大事なのは、単なる積算をする、発注をするだけでなく、これから出来る物へ自分の魂を入れるというか、心を刻んでいくそういう姿が感じられる技術屋であって欲しいと思います。
 大変幸せなことに、自分が設計したものはこの世に形として存在していく仕事を任されているわけです。そういう意味では、後世に残る公共物が住民にとってどういう使われ方をしていくのかを客観的に考え、そのための歴史、文化、環境等の背景的要因も視野に入れた柔軟な思考も求められます。

 私は、伊万里の駅に文化という汽笛を高らかに、ある時は静かに鳴らしてみたいという思いに駆られ、伊万里の伝統文化である焼物の美術館を実現させようと思い、平成9年に駅ビル整備計画のなかにこの構想を取り入れました。時あたかも当時聖マリアンナ医科大学の工藤吉郎先生が、伊万里市に数多くの「鍋島」を寄贈された時であります。
 それから約6年、日本でも珍しい「セラミックミュージアムステーション構想」を具現化した伊万里駅焼物美術館「伊万里・鍋島ギャラリー」が本年4月12日に開館しました。ここまでこぎつけた伊万里市教育委員会、駅ビル建設に関係してきた都市開発課の職員に感謝をしています。

 このように、駅周辺整備というハード事業のなかに歴史や文化といったソフトをミックスすれば、また違ったメッセージを発信することができます。
 私は技術職員こそ総合的な能力を身につけている方ばかりであると信じています。そういう意味で誇りと自信を持って仕事にあたり、自分達の仕事が住民の皆さんの喜びや幸せ、明日への希望や活力につながっているという自覚を持って頑張って下さい。

 

平成15年10月  伊万里市長 塚 部 芳 和

 

 


伊万里市技術職員測量競技大会

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