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市長雑感(第29号) 伊万里・黒澤映画祭

伊万里・黒澤映画祭
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 伊万里の秋は、「伊万里・黒澤映画祭」とともにやってきます。今年も第5回「伊万里・黒澤映画祭」が10月3日(金)、4日(土)、5日(日)の3日間開催され、多くの映画ファンや黒澤ファンで賑わいを見せました。

 1998年(平成10年)の9月、故黒澤明監督が亡くなられたその日に、新聞紙上に「伊万里に黒澤明記念館建設」の活字が出て、黒澤ファンをはじめ映画関係者、伊万里市民がびっくり仰天して早5年が経過。「なぜ伊万里なの?」と話題を呼んだ記念館建設については、建設主体の黒澤財団での建設資金の寄附が思うように集まらず、まだ実現に至っていませんが、市街地にある「黒澤明記念館サテライトスタジオ」をはじめ、「伊万里」と「黒澤」の融合が着々と進み、「伊万里といえば黒澤」という言葉も違和感が感じられないようになりました。

 この伊万里・黒澤映画祭は、伊万里まちづくり実行委員会と伊万里市の主催でありますが、実際は、「プロジェクトK」という実行委員の皆さんが、年間を通じて綿密なる準備、計画をされて取り組まれている市民主導型のイベントであります。
 映画関係者や俳優さん、それに上映する映画の手配と何から何まで大変な作業を、それぞれ黒いTシャツを着た実行委員の皆さんが手際よく役割分担を決めて行動されており、まさに「黒子に徹する」こういう裏舞台があって、華やかな表舞台もあるのだなあということを垣間見る思いです。

 10月3日の前夜祭、4日・5日の映画上映、ゲストによる「トークショー」と大変盛り上がり、特に前夜祭には、4月に誕生したばかりの古川佐賀県知事も駆けつけていただき、ご本人も映画が大好きだと申され、佐賀県をハリウッドのような一大映画のロケーション地にしたいという思いを語られていました。
 映画というものは、公務多忙な知事をも引き込むだけの魅力と底力を持つものだということを改めて感じさせられました。

 文化庁においても、故黒澤明監督のような世界に誇れる映画人を育てようと、デビュー作品の制作補助など人材育成への支援と、小さい頃から映画に慣れ親しんでもらうための小中学生への映画教育の実施など、新たな事業を2004年度から始められるようです。
 私はこれまでの「黒澤」と「伊万里」の縁を大切にしながら、伊万里の地で例えば、映画関係の学部学科を持つ大学や専門学校の実習の場の提供や、子どもへの映画の普及を進めるため、小中学校の授業でアニメーションの仕組み等を学ぶ「映画学習」の機会を設けるなど、「映画を愛する心」の育成を図る活動が必要でないかと思っています。

 「黒澤明記念館建設」というハード事業も、こういう不況のなかで思うように資金が集まらず、財団としては大変ご苦労をされているわけですが、なにも焦らずじっくりと進めていただき、今回の映画祭のテーマであった「人から人へ !)伝承!)」という黒澤監督の映像文化を伝えて受け継ぐそういうソフト事業を継続しながら、「世界の黒澤」と「世界の伊万里」がゆっくり時間をかけて醸成していく本格ワインのように、溶け込んでいくことを願うものであります。
 それにしても、仕事も家庭も大変多忙な堤実行委員長さんをはじめプロジェクトKの皆さん、映画祭の成功に敬意を申し上げますとともに、大変お疲れ様でした。

 

平成15年10月  伊万里市長 塚 部 芳 和

 


伊万里・黒澤映画祭前夜祭に参加された俳優、映画関係者の皆さん

伊万里・黒澤映画祭前夜祭に参加された俳優、映画関係者の皆さん

前夜祭で古川知事、原田美枝子さん(俳優)と記念撮影

前夜祭で古川知事、原田美枝子さん(俳優)と記念撮影


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