本文にジャンプします
メニューにジャンプします

平成26年第2回定例会 市長提案理由説明について


平成26年第2回定例会 市長提案理由説明について
(2014年6月9日更新)

はじめに

 平成26年第2回定例会の開会にあたり、市政運営について所信の一端を申し述べますとともに、今議会に提案いたしました補正予算並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。

4期目にあたっての決意

  先の市長選挙におきまして、市民の皆様のご支持を賜り、無投票当選により4期目の市政運営について負託をいただきましたことは、この上ない光栄に存じますとともに、平成14年4月の市長就任以来、3期12年間にわたり、市民の皆様と同じ目線に立ち、情熱をもって市政運営に努めてきた評価と、将来に向けた信頼と期待の表れと受け止め、その責任の重大さに身の引き締まる思いでございます。
 
 昭和29年の市制施行から60周年を迎えた今、西九州北部の中核都市としての機能と風格を備え着実な発展を遂げてきた今日の伊万里市が、次なるステージへと大きく飛躍するよう、私は、市政運営の原点に立ち返り、「さわやか市政」を推進するとともに、「暮らしの安心・安全の確保」、「地域産業の振興」、「賑わいと活力の創出」の3つのまちづくりを積極的に展開し、市民福祉のさらなる向上と将来に向けた伊万里市の発展に全力を尽くす決意であります。
 
 特に、海外との貿易や産業集積を図るための伊万里湾開発と西九州自動車道の市内区間の開通を契機とする観光戦略の展開については、本市の成長戦略と位置づけ、私の政治目標である「住みたいまち伊万里・行きたいまち伊万里」の実現に最大限の努力を傾注する所存でありますので、議員の皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 

市制を取り巻く情勢

  さて、我が国の経済情勢は、一昨年12月の政権交代以降に取り組まれた、いわゆるアベノミクスによる大胆な金融政策や機動的な財政・経済対策等の効果により景気は回復基調にあり、第3の矢とされる民間投資を喚起する成長戦略の展開による今後の成果に大きな期待が寄せられる一方で、TPP協定交渉が進められる中、コメや牛肉など本市の主要な農産物生産への大きな影響が懸念されるなど、先行きは予断を許さない状況にあります。

 また、10年後には団塊の世代が後期高齢者となり、社会保障費や医療費の急激な増加が見込まれるほか、100年後には県内人口は現在のわずか3分の1にまで縮小すると推計されるなど、人口減少と少子高齢化は世界にも例をみない速度で進行しております。

 さらに、安全に対する意識転換を余儀なくされた東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から既に3年以上が経過するにもかかわらず、被災地では今なお復興が進まない厳しい実情にあり、本市の全域が玄海原子力発電所から30キロ圏の緊急時防護措置準備区域(UPZ)に新たに含まれたことから、市民の皆様の安全を守るための防災対策事業の実施が喫緊の課題となっております。 

まちづくりの基本方針

 このように、新たな対応に迫られる厳しい状況の中で、地方自治体に求められる役割は、さらに増大し多様化することが予測されることから、今後4年間の市政運営は、未来の伊万里市にとって、飛躍のためのまさに正念場であるとの思いを強くしているところであります。
 
 このため、私は、限られた財源の中で、将来を見据えた堅実な行財政運営を市政運営の基本としながら、行政改革へのたゆまぬ取り組みにより自立性の高い自治体経営の確立に努めるとともに、市民が主役の 活気に満ちた地域社会を形成していくため、大胆な発想の転換とともに、攻めの姿勢とスピード感をもって、「強く、元気な伊万里市づくり」に邁進していく決意であります。 

主要な施策

 私の市政運営に関する基本的な考えを申し述べましたが、今回のマニフェストに掲げた「強く、元気な伊万里市をつくるための5つの施策」につきましては、今議会でご審議をお願いしております第5次伊万里市総合計画の後期基本計画に位置づけ、着実に推進していく考えであります。

 以下、市政の主要施策について、総合計画のまちづくりの目標に沿ってご説明いたします。
 
 はじめに、安心で健やかな暮らしづくりについて申し上げます。

 玄海原子力発電所に関連する防災対策として、UPZを対象とする避難道路の整備や財政支援などについて、国や県への働きかけを強化してまいります。

 また、災害の発生時に市民の皆様に迅速かつ確実に災害情報を伝達する防災行政無線の整備に着手するほか、防災や減災をテーマとするフォーラムを開催し、地区防災会はもとより市民の皆様の防災に対する意識の向上を図ってまいります。

 安心して子どもを産み育てるための環境の整備については、来年4月に予定されている子ども・子育て支援に関する新制度へのスムーズな移行を図るとともに、子どもが健やかで伸び伸びと育つよう、子どもに関する総合的な条例の制定について検討を進めるほか、事業所等を対象とした結婚活動の支援に関する学習会や市内高校において結婚や子育て等への関心を高めるための講演会を開催するなど、出会いから結婚、出産、子育てに至るまでの切れ目ない支援に努めてまいります。

 また、若年層から高齢者まで生涯を通じた健康づくりを促進するため、関係団体等との連携によるプロジェクトチームを設置するとともに、市民の皆様が運動に親しむ機会の提供や各種講座の開催など、健康長寿日本一に向けた取り組みを進めてまいります。
 
 さらに、国や県のがん対策に関する計画において、がんになっても安心して暮らせる社会の構築を目標として掲げられていることから、抗がん剤の副作用による脱毛に悩む人が治療を受けながら社会復帰ができるよう、新たに医療用等かつらの購入費の助成に取り組んでまいります。
 
 二つ目に、創造的で心豊かなひとづくりについて申し上げます。

 子どもの創造性や主体性を育むため、学校や地域の実態に応じた特色ある学校づくりをはじめ、中学校において、放課後に地域の人材を活用した学力向上の対策に取り組むほか、ICT機器を利用し児童生徒の学習意欲と理解を高めるため、小中学校において電子黒板の整備を進めてまいります。
 
 また、小中学校の規模適正化については、少子化に伴う児童生徒数の動向等を見据えて、引き続き検討を進めてまいります。
 
 さらに、市民運動として取り組まれてきた博物館の整備については、先に設置した職員によるプロジェクトチームにおいて、施設の必要性やあり方についての調査研究を進めるとともに、来年、生誕150周年を迎える本市出身の偉人である森永太一郎翁に関連する資料の展示を行うほか、市民の皆様の健康と体力向上はもとより県内外からの交流人口の拡大を図るため、日本陸上競技連盟からの公認を受けハーフマラソン大会を開催します。
 
 三つ目に、活気あふれる産業づくりについて申し上げます。

 西九州自動車道の市内区間での開通を農業や観光をはじめ本市産業の発展における絶好の機会ととらえ、伊万里ブランドとして高い評価を 受けている伊万里焼や伊万里牛、伊万里梨などの消費拡大に向けた情報発信に努めてまいります。

 特に、福岡都市圏において商業施設やホテル等と共催で開催する伊万里フェアについては、新たに実施会場を追加するとともに、伊万里産の新鮮な野菜、果物の展示販売やマスコミ関係者を対象とする観光資源のPR機会の創出など、規模を拡大して事業を展開するほか、博多駅の構内やバスターミナル等における観光ポスターの掲示やフリーペーパーへの広告掲載など、観光宣伝活動の強化により、交流人口の増加や特産品の販路拡大を図ってまいります。

 また、本市を観光ルートに組み入れた新たな旅行商品を開発する旅行代理店への助成制度を創設するとともに、本市を訪れる観光客に対し焼き物の里を強く印象づけ大川内山への誘導を図るため、新たに観光広告塔を設置するなど、観光客のさらなる誘致と受け入れ態勢の強化に取り組んでまいります。

 さらに、中心市街地における集客と情報発信の拠点施設である伊萬里まちなか一番館の運営を支援するほか、商店街の活性化のためのイベントを開催するなど、まちなかにおける賑わいの創出を図ってまいります。

 農業については、今年度から新たにスタートした日本型直接支払制度に取り組み、洪水防止など農地の多面的機能の維持を図るため、地域が取り組む農地や農業用水等の適切な保全に向けた活動を支援するとともに、生産条件が不利な中山間地域における農業生産活動の維持向上と化学肥料の低減や有機農法など環境保全に配慮した営農活動を支援します。

 また、農産物等の付加価値を高める6次産業化の取り組みの活性化に向け、認定農業者などの担い手を対象とするセミナーを開催するほか、農業用機械や施設の整備を支援するなど、農業経営基盤の強化による 収益性の確保に取り組んでまいります。

 四つ目に、安全で快適な地域づくりについて申し上げます。
 
 福岡都市圏からの移動時間を大幅に短縮し、広域的な交流を拡大するとともに災害時には避難路ともなる西九州自動車道については、いよいよ唐津市から南波多町までと山代町から松浦市までの2つの区間が開通することから、ウォーキング大会等の記念事業を開催するほか、市内全区間の早期開通に向け、関係機関への提案活動に取り組んでまいります。

 また、臨港道路七ツ島線をはじめ国道204号バイパスや都市計画道路大坪木須線など、交通の利便性を高め、物流や観光、防災など市民生活や経済活動を支える重要な都市基盤となる幹線道路の整備を促進するほか、市街地における交通の円滑化を図るため、新たに都市計画道路大坪小学校線の整備に着手します。

 伊万里港の整備については、浦ノ崎地区廃棄物処理用地の産業用地としての活用に向け、埋め立ての促進をはじめ港湾計画の変更等について、関係機関に対し強く働きかけてまいります。

 五つ目に、自立と協働のまちづくりについて申し上げます。

 市政運営の根幹に据え取り組んでいる市民との協働をさらに活性化するため、地域の課題解決を目指し各町において主体的に取り組まれているまちづくりの実践活動への支援を行うほか、海外におけるまちづくりの先進的な取り組みについて調査研究を行うため、公募による研修団を海外に派遣します。

 また、年金や税をはじめ、福祉、医療等に関する住民情報の相互連携を目的として新たに創設される社会保障・税番号制度への対応を進めてまいります。
 
 さらに、高度経済成長期である昭和40年代にかけて建設した公共施設の老朽化が進行していることから、今後の人口減少に伴う適正な施設規模等を十分に考慮した上で、施設の統廃合を含めた再配置や改修等に関する中長期的な計画を策定し、施設の長寿命化に取り組むとともに、自主財源の確保をはじめ、行政評価の活用や機構改革によるコストの削減など、行政改革大綱に基づき効果的で効率的な行財政運営に努めてまいります。 

補正予算の主な内容

 以上、主要な施策についてご説明申し上げましたが、国内景気は、緩やかな回復基調が継続することが期待され、地方においても、4月に実施された消費税率の引き上げに伴う影響がみられるものの、個人消費および雇用情勢ともに、緩やかに持ち直しつつあることから、今後の景気回復に向けた波及効果の広がりを期待しているところであります。
 
 しかしながら、これまでの長引く地域経済の停滞に伴い、本市の財政は依然として厳しい状況にあることから、今回の補正予算は、当初予算で最小限にとどめた政策的経費を中心に計上するとともに、事業の重要性や緊急性を考慮し、厳選して予算編成に努めたところであります。
 
 この結果、一般会計におきましては、歳入歳出それぞれ12億8,884万8千円を追加し、予算の総額を227億4,229万3千円とするものであります。

 以下、今回提案いたしました補正予算の主な内容について、重複を避けながら歳出の款ごとにご説明申し上げます。

 はじめに、総務費については、市制施行60周年を市民の皆様と祝うための記念式典の開催に要する経費をはじめ、海洋深層水利用学会佐賀大会の本市での開催にあわせ、市内企業や市民の皆様を対象とする海洋エネルギーの利活用等に関するセミナーを実施するための経費を計上いたしております。

 また、大連市との友好交流を深めるための公務研修生の受け入れに要する経費、高校野球の競技力の向上と地域の活性化を図るための甲子園出場経験のある県外強豪校との強化試合の開催に要する経費のほか、市役所のロビーに授乳室を設置するための経費を計上いたしております。

 さらに、松浦鉄道への支援計画に基づく老朽施設等の整備に要する経費や東山代町元気バスの運行支援に要する経費など、市民の皆様の移動手段の確保に要する経費等を計上いたしております。

 また、ふるさと応援基金に、有限会社原工務店様、埼玉県 板倉秀名様、東京都 川瀬和子様、木部英弘様、西川英樹様、新天町 原義治様から寄附をいただきましたので、積み立てるとともに、厚くお礼を申し上げます。

 民生費については、地域において高齢者に対しデイサービス等を提供する地域共生ステーションにおけるスプリンクラー等の防火設備の整備の支援に要する経費、障害のある人に住居を提供する福祉ホームの運営支援に要する経費を計上いたしております。

 さらに、各町における敬老会の開催をはじめ、高齢者の生きがいや支えあい活動に取り組む老人クラブの運営の支援に要する経費、地域における身近な福祉の相談員である民生委員・児童委員の活動の支援に要する経費等を計上いたしております。

 また、福祉基金に、一般財団法人佐賀県遺族会様から寄附をいただきましたので積み立てるとともに、厚くお礼を申し上げます。

 衛生費については、不妊治療を受けている夫婦に対する治療費の助成や産後間もない母親を対象とした交流の場づくり、がん予防に重点を置いた健康づくりフェスタの開催に要する経費、地域における医療の担い手として看護師等を養成する伊万里看護学校の運営支援に要する経費を計上いたしております。

 また、ごみの減量化やリサイクルに対する市民意識の向上を図るための行政区や子ども会などの団体が実施する資源ごみ回収活動への支援に要する経費、河川等の公共用水域の水質保全を図るための浄化槽設置への支援に要する経費等を計上いたしております。

 労働費については、市内で働く勤労者の福利厚生の充実を図るため、伊万里地区労働者福祉協議会が取り組む活動への支援に要する経費を 計上いたしております。

 農林水産業費については、後継者不足等の理由により耕作放棄地となるおそれのある農地等を担い手農家へ集積し、有効活用を図るための農地中間管理機構と一体となった取り組みに要する経費を計上いたしております。

 また、農地の保全や農業用水の安定確保を図るための老朽ため池の補修に要する経費、農作物に大きな被害をもたらすイノシシやアライグマなどの有害鳥獣の駆除などに要する経費を計上いたしております。

 さらに、林業経営体が行う施業の効率性の大幅な向上や森林の適正な管理を促進するための高性能林業機械の導入への支援に要する経費、波多津漁港内の輸送道路において、地盤沈下により雨水の排水に支障が生じている個所の改修に要する経費等を計上いたしております。

 商工費については、伝統産業である伊万里焼の振興を図るための技術継承や後継者育成などの取り組みへの支援に要する経費、関係市町等と連携した佐賀県有田焼創業400年事業実行委員会の運営と伝統的工芸品月間国民会議全国大会を開催するための負担金、さらには、企業の設備投資に対する奨励金のほか、いまり秋祭りやどっちゃん祭りなどの観光イベントの開催に要する経費等を計上いたしております。

 土木費については、地域の生活道路である市道の改良や補修等に要する経費のほか、市営住宅における老朽個所の改修に要する経費を計上いたしております。

 また、伊万里港において高潮による被害を防ぐための海岸堤防の機能保全等に要する経費、河川の氾濫による被害を防止するための煤屋川の改修に要する経費等を計上いたしております。
 
 消防費については、消防団の運営や防火衣等の装備の充実に要する経費、防火水槽や積載車格納庫などの整備の支援に要する経費等を計上いたしております。

 教育費については、小学校高学年児童の体験活動の一環として公民館を避難所と想定した防災キャンプの実施に要する経費、大川内公民館におけるトイレ等のバリアフリー化に要する経費を計上いたしております。

 また、市民図書館における図書資料購入費や市民図書館を核に取り組んでいる家読に関する講演会の開催費、今年で10周年を迎えるブックスタート事業の充実に要する経費を計上いたしております。

 さらに、多くの市民の皆様がスポーツに親しむ機会を確保するための市民体育祭の開催や牧島地区の運動広場の用地取得に要する経費、伊万里市散弾銃射撃場内外における鉛散弾による土壌への影響調査に要する経費等を計上いたしております。

 諸支出金については、有田川浄水場の更新に係る水道事業特別会計への出資金を追加いたしております。

 なお、歳入については、ただいまご説明申し上げました事務事業に要する経費の財源として、地方交付税、国庫支出金、県支出金、繰入金および市債等を追加するものであります。
 
 次に、特別会計についてご説明申し上げます。

 国民健康保険特別会計については、12万2千円を追加し、予算の総額を78億315万3千円とするもので、健康づくりフェスタの開催に要する経費を計上いたしております。
 
 介護保険特別会計については、58万3千円を追加し、予算の総額を57億118万7千円とするもので、加齢等に伴う運動機能の低下を 防ぐロコモティブ・シンドロームの予防教室の修了者を対象とした事後教室の実施に要する経費を計上いたしております。
 
 公共下水道事業特別会計については、7,190万5千円を追加し、予算の総額を20億8,033万6千円とするもので、汚水管の整備に要する経費を計上いたしております。

 農業集落排水事業特別会計については、200万円を追加し、予算の総額を1億5,671万6千円とするもので、農業集落排水施設の長寿命化計画の策定に要する経費を計上いたしております。

ダウンロード

市長提案理由説明