本文にジャンプします
メニューにジャンプします

大野岳タイワンツバメシジミ繁殖地


大野岳タイワンツバメシジミ繁殖地
(2022年3月29日更新)
市指定天然記念物
大野岳タイワンツバメシジミ繁殖地
(おおのだけ たいわんつばめしじみ はんしょくち)

伊万里市南波多町原屋敷字夫婦石 大野岳頂上付近(18,865m2)
平成29年(2017)8月1日指定


タイワンツバメシジミの雄タイワンツバメシジミの雌
タイワンツバメシジミの雄(おす)                            タイワンツバメシジミの雌(めす)


タイワンツバメシジミの交尾(こうび)

【写真提供者 松尾 優 氏】

 タイワンツバメシジミは、翅を広げたときの幅が30mm程度の小さな蝶です。翅の表面が、オスは明るい青紫色、メスは暗褐色です。翅の裏面の模様は、ほぼ雌雄同一で、灰白色に灰色の斑点がみられ、そのなかに、はっきりとした黒色の斑点が4点あります。成虫は8月下旬から9月上旬のシバハギの開花時期に合わせて羽化します。成虫のメスはシバハギに産卵し、ふ化した幼虫は、主にシバハギの花やつぼみ、未熟の種子を食べて成長します。このため、幼虫も成虫もシバハギが生育している場所でしか見られません。
 シバハギ(柴萩)はマメ科の多年草で、低い山地の日当たりの良い草原などで生育します。地を這うように生えるため、周りに草木が繁る環境では生育できません。シバハギが繁茂するような環境を維持するためには定期的な草刈りなど、人の管理が必要となります。
タイワンツバメシジミの生息域は、九州、四国の南部、南西諸島に分布していますが、現在、実際に確認される地域は、ごく一部となっています。県内では大野岳以外では、ほとんど見ることができなくなりました。環境省のレッドリストでは、「絶滅危惧1B類」(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に選定されています。
 タイワンツバメシジミの繁殖には、シバハギの生育が必要であり、大野岳山頂は、地元住民や保存会が草刈りなどの保護活動を積極的に行っています。こうした繁殖環境を保護し、後世に残していくために市の天然記念物に指定しました。小さくて可憐なタイワンツバメシジミの保護にご協力をお願いいたします。