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平成27年第1回定例会 市長提案理由説明について


平成27年第1回定例会 市長提案理由説明について
(2015年3月2日更新)

 

はじめに

 平成27年第1回定例会の開会にあたり、市政運営について所信の 一端を申し述べますとともに、今議会に提案いたしました平成27年度当初予算並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。

政治信念

 私は、昨年4月に市民の皆様から4期目の市政運営の負託をいただき、その責任の重大さをあらためて強く感じながら、暮らしの安全と安心の確保、地域産業の振興、賑わいと活力の創造の3つの柱のもと政策の推進に努めてまいりました。
 特に、市長就任以来、重点施策として取り組んできた西九州自動車道が、2月1日に南波多谷口インターチェンジまでの市内区間の供用が開始され、九州の経済や文化の中心である福岡都市圏と高速交通体系で直接結ばれたことにより、今まさに、伊万里市は西九州北部地域の中核都市として確固たる成長力を手にしたところであります。
 市政60周年の節目を越え新たな出発点に立った今、私は、長い歴史に培われた伝統を守り継承しながらも、市民の皆様の英知を結集し、伊万里港や西九州自動車道などの誇るべき地域資源や協働の力を最大限に発揮し、一歩一歩、着実に市政の歩みを進めていくことが、私の使命であると決意を新たにしているところであります。

市政を取り巻く情勢

 さて、今日の社会情勢については、デフレ懸念が強まる欧州経済の先行き不安に加え、昨年夏からの原油安により世界経済は大きく揺れ 動いており、我が国経済への影響は決して予断を許さない状況にあります。
 国においては、昨年末の衆議院総選挙により第3次安倍内閣が発足し、個人消費の喚起と円安対策を柱に、経済政策である「アベノミクス」をさらに加速し、その効果を今後地方や中小企業に波及させることとされており、さらには、最終局面を迎えている環太平洋経済連携協定交渉の年内の大筋合意に向けた取り組みとともに、60年ぶりとなる農協改革の方針等が示されたところであります。
 また、11月に成立した地方創生関連2法に基づき、東京圏への一極集中の是正、若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、地域の特性に即した課題の解決を目指し、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立に向けた取り組みが開始されております。
 我が国では、経済政策や金融政策などの拡大により大幅な円安が進み、輸出関連産業を中心に大企業の業績は好転の傾向を示すなど、景気は回復基調にありますが、地方においては直接的な効果を実感できない状況が継続しており、本市財政も社会保障サービスなど義務的経費の増大が重なり、依然として厳しい状況にあります。

まちづくりの基本方針

 このように激動する社会経済情勢の中で、地方における行政運営が困難な時代に直面している今こそ、伊万里市の将来の姿を見据えた自律的な行財政運営を堅持し、選択と集中による事業の展開により、未来に夢を描けるまちづくりに挑戦していかなければなりません。
 地方創生の考えのもと、我が国全体が活力あふれ持続的に発展するために地方の大胆な実行力が求められ、熱意ある地方の創意工夫への支援の方向性が示されたことから、私は、好機の拡大をいち早く政策に取り込み、伊万里市版の地方創生を積極的かつ戦略的に推し進めるため、本年1月に、私が本部長となり、まち・ひと・しごと創生総合戦略本部を設置したところであります。
 今後、学識経験者をはじめ、市民の皆様の意見をお聞きしながら、地方創生の具体的な実施計画となる総合戦略を策定し、人口減少の抑止はもとより、交流人口のさらなる拡大や若者の就労機会の確保、定住の促進、子育て支援の拡充など、地域や企業をはじめ市民の皆様と一丸となり将来の発展に向けた施策を展開していく覚悟であります。

主要な施策

 政策の推進にあたりましては、総合計画に定めた将来都市像である「活力あふれ ひとが輝く 安らぎのまち 伊万里」の実現を目指し、後期基本計画と伊万里市まち・ひと・しごと創生総合戦略に位置付ける施策のスピード感をもった展開により、重点的な事業の推進に努めて まいります。
 第一に、安全と安心の確保であります。
 玄海原子力発電所の再稼働へ向けた準備が進む中、引き続き、原発の立地自治体並みの安全協定の締結について電力会社へ働きかけるとともに、再稼働の判断に際しては、新たにUPZ圏内に組み込まれた本市への配慮がなされるよう、佐賀県に対し引き続き要請してまいります。
 また、自然災害や原子力災害等が発生した場合に主要な情報伝達手段となる防災行政無線の実施設計に取り組むとともに、災害時の避難経路となる国道や県道、市道の整備を促進します。
 さらに、身近に発生した鳥インフルエンザなどの感染症や自然災害等の未然防止に努め、災害の発生時においては、最小限の被害にとどめるよう、関係機関等と連携し盤石な体制により対応してまいります。
 県西部4市5町で整備を進めている広域ごみ処理施設については、来年1月の稼働に向け、施設本体の建設など事業の着実な進捗を図ってまいります。
 第二に、都市基盤の整備と産業の振興であります。
 迅速な物流体系の構築や交流人口の拡大に欠かすことができない道路網の整備については、平成29年度に予定されている西九州自動車道の伊万里東インターチェンジ(仮称)までの延伸を促進し福岡都市圏からの移動時間の短縮を図るとともに、臨港道路七ツ島線をはじめ、国道204号バイパス、都市計画道路大坪木須線の整備を促進するなど、臨海部の工業団地から長崎自動車道や西九州自動車道へのアクセスの向上を図ります。
 また、伊万里港については、博多港を補完する国際物流拠点として、より大型の船舶の寄港が可能となるよう、航路と泊地の水深13mの浚渫を促進するとともに、浦ノ崎地区の産業用地としての整備に向け、佐賀県との協議を進めるなど、さらなる振興に努めてまいります。
 さらに、西九州自動車道の延伸を契機として、福岡都市圏をターゲットとする観光戦略や定住促進などの地域活性化策のさらなる展開に努めるとともに、農林水産物の生産から加工、販売まで行う6次産業化については、専門のアドバイザーの支援を受けながら、新商品の開発や販売手法の研究などの取り組みを促進してまいります。
 地域活性化の側面から全国的に着目されている「ふるさと応援寄附金」については、新たに、本年1月に政策経営部内にふるさと応援係を設置し、伊万里牛の製品を追加し寄附特典を拡充したところ、全国から反響があり大幅な伸びを示しております。
 地域経済への波及効果の拡大の手ごたえも感じているところであり、本市ならではの特産品のPR機会拡大の観点から、さらなる充実に努めてまいります。
 第三に、地方の活力を生み出す人づくりであります。
 昨年6月に日本創生会議が公表した人口推計によると、我が国の人口は、平成52年には1億600万人となり、30年間で約17%の減少が 見込まれる中で、本市においては43,192人にまで減少すると推計されており、人口減少の抑止は地方に共通する喫緊の課題となっております。
 このため、独身の男女を対象とする出会いの場の提供や講座の開催など結婚活動を支援するとともに、子ども・子育て支援事業計画に基づき、保育園や留守家庭児童クラブ等におけるきめ細かな保育サービスを提供するなど、結婚から妊娠、出産、子育てへの切れ目のない支援に努めてまいります。
 また、新たに総合教育会議を設置し、教育をはじめ学術や文化の振興など、今後の本市教育のあり方に関する総合的な施策の大綱を定めるとともに、小中学校に4人以上の児童生徒が通学する世帯に対し、4人目以降の給食費の助成を開始し経済的負担の軽減を図るほか、小中学校のすべての普通教室と特別支援教室に電子黒板を配置するなど、本市の未来を担う子どもたちの確かな学力と豊かな心を育むための教育環境の充実を図ってまいります。

当初予算編成の考え方

本市の財政は、法人市民税の税率改定の影響等による市税収入の落ち込みと扶助費や公債費など義務的経費の増大が重なることに加え、国の地方財政措置における基準財政需要額の見直しに伴い、地方交付税および臨時財政対策債の総額において減額が見込まれるなど、厳しい財政運営を余儀なくされる状況にあります。
このため、既存事業の徹底した見直しと重要性や緊急性を考慮した事業への集中投資により、限られた財源の中で堅実な予算編成に努めました。
 この結果、平成27年度当初予算の規模は、
   一般会計 224億8,300万円
   特別会計 177億7,925万9千円
   企業会計  54億1,755万7千円 といたしております。

当初予算の主な考え方

 以下、今回提案いたしました予算の主な内容について、重複を避けながら、総合計画で定めたまちづくりの目標に沿ってご説明いたします。
 はじめに、安心で健やかな暮らしづくりについて申し上げます。
 地域福祉の充実については、子育てや介護など地域における身近な福祉ニーズの把握や相談等を行う民生委員・児童委員の活動を支援するとともに、社会福祉協議会と連携し、ボランティア等の市民の福祉活動への参画を促進します。
 高齢者支援の充実については、団塊の世代のすべてが後期高齢者に該当する「2025年問題」を見据え、健康増進や介護予防に関する相談に対応するとともに、必要に応じた介護保険サービスを提供するほか、健康に不安を持つひとり暮らしの高齢者等を対象とする緊急通報システム機器等の設置に取り組むなど、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。
 また、高齢者の生きがいづくりや支えあい活動に取り組む老人クラブや高齢者の就労機会を創出するシルバー人材センターの活動を支援します。
 障害者支援の充実については、第3次障害者計画および第4期障害福祉計画に基づき、障害のある人が施設や自宅で自立して生活するための介護給付や就労に向けた職業訓練の支援など障害福祉サービスの提供に努めます。
また、障害のある児童への集団生活や生活能力向上のための訓練や指導を行うとともに、身体に障害のある人が自立して生活するために必要な手術等の医療費の支援を行います。
 子育て支援の充実については、子ども・子育て支援新制度に基づき保育の量の拡大や質の向上等を図るため、一時預かりや延長保育、病後児保育等の多様な保育ニーズへの対応に努めるとともに、留守家庭児童クラブにおいて児童の健全な育成と安全な生活の場の提供を図るなど、保護者の子育てと仕事の両立を支援します。
 また、児童手当の給付や子どもの医療費助成に加え、未熟児の入院等に要する医療費の給付を行うほか、消費増税に伴う影響緩和のための臨時給付金を給付するなど、子育て家庭の経済的負担の軽減を図ります。
 低所得者福祉の推進については、生活困窮者自立支援法に基づき、生活困窮者の相談への対応や就労に向けた支援を行うとともに、離職により住宅の確保が困難な人に対し家賃相当の給付金を支給します。
 保健活動の推進については、医療機関などの関係機関と連携し、メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査や特定保健指導により、生活習慣病の早期発見と重症化を予防するとともに、食生活改善推進員による食を通じた健康づくりを推進し若年期からの生活習慣病の予防を図るほか、大腸がんや乳がんなど各種がん検診の受診率向上に努めます。
 また、妊婦や乳幼児の健康診査をはじめ、未熟児のいる家庭を訪問し育児に関する相談や情報の提供を行うなど、次世代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つための支援に努めます。
 さらに、予防接種法に基づき、麻しん・風しんをはじめ、ヒブや成人および小児用肺炎球菌、水痘などワクチンの定期予防接種を適切に実施し感染症の予防に努めます。
 医療体制の充実については、伊万里有田共立病院の運営を支援するとともに、休日・夜間急患医療センターをはじめ、病院群輪番制や在宅当番医制の運営により休日等の医療体制の確保を図るほか、休日や夜間の医療情報を入手できる救急医療情報システムの周知に努めます。
 また、国民健康保険については、レセプト点検やジェネリック医薬品の利用促進等による医療費の適正化や国民健康保険税の収納対策の強化により財源を確保するなど健全な運営に努めます。
 二つ目に、創造的で心豊かなひとづくりについて申し上げます。
 生涯学習の推進については、生涯学習センターや地区公民館を拠点として伊万里の歴史や伝統を学ぶ伊万里学など地域の文化づくり活動を促進し、地域を担う人材の育成に努めます。
 また、図書館においては、開館20周年を記念し、図書館の役割や市民との関わりをテーマとした公開講座を開催するとともに、市民の皆様へ豊かな情報を提供するため図書の充実を図るほか、家読については全市的な取り組みを推進するなど、幅広い世代への学習機会の提供に努めます。
 青少年の健全育成の推進については、学校や関係団体と連携し、いじめや不登校などの悩みを抱える青少年や保護者からの相談に対応するほか、青少年育成市民会議との連携によりサマーキャンプなどの 体験活動の充実に努めます。
 また、地区公民館を拠点とした放課後子ども教室において、休日や放課後における子どもの安全な活動の場を確保するとともに、スポーツや文化活動等を通して大人と子どもの交流を促進し、子どもの健全な育成と地域の教育力の向上を図ります。
 学校教育の推進については、児童生徒の確かな学力の定着と向上を図るため教職員の指導力の向上に努めるほか、心に不安を抱える児童や保護者等の相談へ対応するためスクールカウンセラーを配置するとともに、障害のある児童生徒の学校での生活支援の充実を図ります。
 また、社会的な問題となっているいじめに対応するための新たな取り組みとして、すべての小中学校に学校いじめ対策委員会を設置するとともに、専門的な見地から問題の解決を図るため、教育委員会の附属機関として弁護士、臨床心理士等で構成するいじめ問題対策委員会を設置します。
 さらに、小中学校の校舎や屋内運動場などの耐震化に取り組むなど安全な教育環境の整備に努めます。
 スポーツの振興については、伊万里ハーフマラソンや市内一周駅伝など各種競技スポーツ大会の開催をはじめ、体育協会や競技団体等の活動を支援するなど競技力の向上を図ります。
 また、市民の皆様が安心して利用できるよう国見台体育館や波多津体育館などの耐震化に取り組むとともに、体育施設の適正な維持管理を図るほか、松浦町におけるスポーツレクリエーション施設の整備に向けた実施設計に取り組みます。
 人権教育と啓発の推進については、人権に関する正しい理解を深めるため、地域に密着した講座や講演会等を開催するほか、市内の高校との連携によりフォーラムを開催するとともに、小学生が花の成長を通じて人権尊重の理解を深めるための人権の花運動に取り組むなど、市民の人権意識の高揚と子どもたちの豊かな人権感覚の育成を図ります。
文化活動の推進については、市民の皆様が気軽に文化芸術に触れ、活動する機会と発表の場として市民音楽祭や美術展等を開催するとともに、カルチャー入門講座を開講します。
 また、中国・大連市との友好交流をさらに深めるとともに観光客の誘致を進めるため、大連市の観光に関係する機関等を訪問するほか、公務研修生による中国語教室を開催するなど、国際交流を推進します。
 文化財の保護と活用については、史跡大川内鍋島窯跡の学術的な調査を実施するとともに、肥前地域の特徴的な史料価値を有する窯跡の盗掘を防止するためのパトロールや警告看板の設置など、地域と一体となった保護活動に取り組みます。
 また、歴史民俗資料館や伊万里・鍋島焼ギャラリーにおいて、市の重要文化財の展示や企画展を開催するなど、郷土の歴史や文化に触れる機会の創出に努めます。
 三つ目に、活気あふれる産業づくりについて申し上げます。
 農業の振興については、高性能機械等の導入支援や経営所得安定対策の活用などにより水田農業の収益性を高めるとともに、野菜や果樹などの園芸作物については、品質の向上や低コスト化のための機械の導入と施設整備を支援します。
 伊万里牛の生産振興については、伊万里牛振興会をはじめ関係団体との連携により肉質の向上や販路の拡大を図るとともに、死亡獣畜の 搬送処理に対する支援に取り組みます。
 また、生産条件の不利な中山間地域における農業生産活動を支援し、耕作放棄地の発生防止や農地の適正な管理を図るとともに、農地が持つ多面的機能を維持するために地域が一体となって取り組む活動を支援します。
 さらに、若年層の新規就農を促進し、担い手の確保と育成を図るほか、イノシシやカラスなどの有害鳥獣による農作物の被害軽減に取り組みます。
 林業の振興については、森林整備の基盤施設となる林道烏帽子岳線および二里下分線の用地取得に取り組むとともに、森林の効率的な施業と適切な保護を図るため、事業者が実施する森林経営計画の作成と施業の集約化に向けた森林情報の収集や調査活動、森林地理情報システムの導入等を支援します。
 水産業の振興については、波多津漁港における作業の安全性を確保するため、佐賀玄海漁業協同組合波多津支所が行う老朽化した漁船上架施設の改修工事への支援を行います。
 工業の振興については、七ツ島工業団地をはじめ、空き工場や民間所有地等への企業の新規立地を促進するとともに、既存立地企業に対する積極的なフォローアップ活動に取り組み、設備投資や雇用の拡大を図ります。
 また、地場産業の振興を図るため、中小企業等の設備投資を支援するとともに、本市の伝統産業である伊万里焼については、関係団体との連携により伝統技術の継承や後継者の育成に取り組みます。
 本市を拠点として研究が進められている海洋温度差発電については、研究の成果を地域の活性化につなげるため、実証実験が行われている沖縄県久米島町や佐賀大学との連携を深めてまいります。
 商業の振興については、魅力ある商業空間の創出を図るため、商工会議所など関係団体と連携し、商店街への集客や賑わいづくりのためのイベントの開催を支援するとともに、中心市街地活性化の拠点施設である伊萬里まちなか一番館の運営を支援します。
 観光の振興については、西九州自動車道の市内区間での開通を福岡都市圏からの交流人口の拡大を図る絶好の機会と捉え、様々なメディアを活用した観光情報の発信を行うとともに、伊万里ブランドとして高い評価を受けている伊万里焼や伊万里牛などの魅力をPRするイベントを福岡市内の商業施設やホテル等において開催します。
 また、どっちゃん祭りや秋祭りなど、本市特有の歴史や文化、豊かな自然を活用したイベントの開催を支援するとともに、本市を観光ルートに組み入れた旅行の商品化を促進するほか、観光アドバイザーの民間企業での経験等に基づく豊富な知識や幅広い人脈を観光戦略の展開に生かし、交流人口の拡大を図ります。
 貿易の振興については、伊万里港において、平成9年のコンテナターミナルの開設以来、昨年は実入りコンテナの取扱量が最大となったところであり、今後、さらなる貨物の集荷を図るため、国内外でのポートセールス活動に官民一体となって取り組むとともに、新たな航路の開設について船会社等へ働きかけてまいります。
 四つ目に、安全で快適な地域づくりについて申し上げます。
 道路・交通体系の整備については、市街地における交通の円滑化や安全性の確保を図るため、都市計画道路大坪小学校線の整備を進めるとともに、身近な生活道路である市道については、利用者が安全に通行できるよう適切な維持管理を行うほか、長寿命化修繕計画に基づき計画的な橋りょうの点検、補修を行います。
 また、公共交通機関については、松浦鉄道支援計画に基づき老朽施設の更新等を支援し、安全な鉄道の運行と経営の安定化を図るとともに、路線バスの既存路線の維持に努めるほか、いまりんバスの運行や東山代元気バスの運行支援に取り組むなど、市民の皆様の移動手段の確保に努めます。
 上水道の整備については、より良質な飲料水を安定的に供給するため、有田川浄水場において膜ろ過方式の導入による浄水施設の高度化に取り組むとともに、老朽化した配水管の布設替えや簡易水道施設の耐震診断等を行います。
 居住空間の整備については、危険な状態にある空き家等の所有者に対し適正な管理を促すため、除却等も含めた対策を講じるとともに、一般住宅の耐震診断への補助や、立花市営住宅および立岩市営住宅の老朽個所等の改修を行います。
 下水道等の整備については、浄化センターにおいて重力式汚泥濃縮機など老朽化した設備を更新するとともに、将来にわたり管路を含む設備の計画的な維持管理を行うための長寿命化計画を策定します。
 また、農業集落排水については、施設の適切な維持管理を行うとともに、宿地区に関する長寿命化計画を策定するほか、汚水の集合処理ができない地区においては、浄化槽の設置を支援するなど、公共用水域の水質保全と快適な生活環境の確保に努めます。
 ごみの減量化と廃棄物の適正な処理については、家庭から出る資源ごみの回収運動に取り組む団体を支援するほか、環境センターの適切な維持管理に努め、12月の稼働停止後はリサイクルセンターとしての活用を図ります。
 環境保全活動の推進については、本市の環境施策を総合的に位置付けた環境基本計画の改定に取り組むとともに、水質や大気環境の測定を行うほか、市民との協働による市民大清掃や伊万里湾の清掃活動を行います。
 消防・救急体制の充実については、火災や自然災害等から市民の生命や財産を守るため、伊万里・有田消防組合による消防、救急活動に取り組むほか、円滑な消防団活動を支援するため、小型動力ポンプ付積載車を更新するなど、地域における消防力の充実を図ります。
 防災の推進については、防災の担い手である地区防災委員の研修や情報伝達訓練などを実施し、地域における防災力の向上を図るとともに、馬伏地区および松島搦地区における浸水被害を軽減するため、排水機場の供用開始に向けた機械設備や電気設備、水路等の整備に取り組みます。
 交通安全対策の推進については、歩道の拡幅や段差解消に取り組む など歩行者の安全を確保するとともに、飲酒運転の撲滅や交通ルールの遵守に関するイベントの開催など様々な機会を捉えた交通安全意識の啓発に努めます。
 防犯活動の推進については、地域における防犯灯の設置を支援し夜間の安全確保を図るとともに、消費トラブルをはじめとする市民生活における様々な相談については、各種専門相談員を配置し、解決に向けた対応に努めます。
 五つ目に、自立と協働のまちづくりについて申し上げます。
 適正な情報公開と広報広聴の充実については、広報紙やホームページ等による的確で迅速な行政情報の提供に努めるとともに、個人情報保護への取り組みや情報公開制度の周知を図るなど、市民の皆様の行政運営への関心を高めるほか、重要な施策等の決定においてはパブリックコメントを実施するなど、行政運営への市民参加を促進します。
 また、来年1月から運用を開始する社会保障・税番号制度に対応するため、税システムや福祉システムの改修に取り組みます。
 まちづくりの担い手の育成については、地域の活性化を目指し各町において主体的に取り組まれているまちづくり活動を促進するとともに、市民活動団体等が自ら企画し実行する事業の支援に努めます。
 また、市民ネットワーク「いまり」の活動を支援し、市民活動団体の相互連携と活動の活性化を図るとともに、国内での研修へ市民を派遣 するなど地域づくりの担い手の育成に努めます。
 男女協働参画社会の形成については、男女協働参画を推進する上での基本理念をはじめ、市と市民および事業者等の責務を明らかにするための条例制定に向け準備を進めるとともに、いまりプラザと連携し男女協働参画意識の向上に向けた啓発活動を進めてまいります。
 また、女性の自立に関する専門相談員を配置し、配偶者等の暴力をはじめ家庭や子育てなど女性が抱える問題の解決に向けた支援に取り組みます。
 効率的な行財政の運営については、将来にわたり健全な行財政運営を進めていくため、新たな行政改革大綱の策定に取り組むとともに、自主財源の確保をはじめ、行政評価の活用や機構改革によるコストの縮減など、さらなる行財政改革の推進に努めてまいります。
 また、公共施設の老朽化が進む中、今後の人口減少に伴う適正な規模をはじめ、利用状況や運営コスト等を十分に考慮した上で、施設の統廃合や改修等に関する中長期的な計画を策定するほか、土地の一筆ごとに所有者や面積等を確定する地籍調査に引き続き取り組みます。
 自立した行政経営の確立については、地方創生をはじめ様々な行政需要に的確に対応できる企画立案能力を備えた職員の育成に努めます。

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